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再生可能エネルギーはどうあるべきか

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「地球温暖化は二酸化炭素(CO2)の温室効果によるものだ」ということが明らかになってから、再生可能エネルギーが注目され始めて、もう何十年経つでしょうか。

その後は、世界中でCO2削減が訴えられるようになってから、主に太陽光発電など再生可能エネルギーが、「CO2排出しない」ということで、普及してきたように思います。

わが国においては、それまでの大手電力会社の方針で、あまり普及してこなかった再エネ事業ですが、東日本大震災での福島第一原発事故をきっかけに、大きく方針転換され、再エネ事業が進展してきたように思います。

しかしながら、この再生可能エネルギーも、太陽光発電や風力発電については、増えるほど自然破壊や2次災害の報告が後を立たず、再エネ事業拡大路線への疑問の声も、大きくなってきたように思います。

また、自然破壊について、メガソーラー建設予定地が決まれば、住民の反対運動も後を立たず、住民の反対の声を無視して、建設を進める悪徳業者も見受けられるようになってきました。

さらに、電力供給について、九州など太陽光発電の盛んな地域において、火力発電などの制御可能な発電設備が、頻繁に稼働調整作業を行うことで負担増となる問題も、新たに浮上してきております。

特に天候まかせの制御不能な発電設備でもある、[大規模]太陽光発電(メガソーラー)や[大規模]風力発電は、このまま拡大させて、電力の安定供給を無視し続けて良いのか。という再生可能エネルギーの定義そのものへ疑問も浮上してきてます。

今回は、そんな再生可能エネルギーのあり方について考えてみました。

日本の電力システムの現状

電力システムとは、電気という2次エネルギーを作るために、さまざまな1次エネルギーを「供給安定性」、「効率」など考慮しながら、バランス良く組み合わされたものです。

従来は24時間稼働を続ける原子力、水力、地熱のような「ベースロード電源」を主軸として、天然ガス火力など「ミドル電源」、石油火力など「ピーク電源」を組み合わせて、電力の需要変動に対応してきたようです。

しかし、東日本大震災の原発事故により、ベースロード電源であるはずの原子力発電が、休止して使えなくなったため、火力、水力を主軸として、再生可能エネルギーも大きな割合で、電力システムに組み込まれるようになってきました。

実際のところ再生可能エネルギーとして多く普及されているのは、太陽光や風力の不安定な発電設備なので、休止中の原子力発電に代わって、ベースロード電源になり得るはずもなく、逆に、このまま増え続ければ、不安定要因が大きくなって、今後の電力安定供給に、深刻な問題が生じる恐れがあります。

太陽光、風力発電について、現在の発電量では全体の約8%になりますが、政府は、これらを20%程度まで引き上げるという目標らしいです。

電力システムにおいて最も重要なのは、電力の安定供給が続けられることであり、東日本大震災の福島第一原発事故のような、大災害による長期停電や計画停電が、起こらないようにしなければなりません。

そのためにも他の地域からの送電網を含めた、電力システムの再構築は、急務と言えます。

なぜ再生可能エネルギーなのか

再生可能エネルギーというのは、英語で「Renewable energy」ですが、本来は、「使い尽くすことのないエネルギー源」から生じるエネルギー、またはその「エネルギー源」のことを意味しています。ですので、化石燃料代替エネルギー「Alternative energy」とは区別する必要がありますが、およそ同等ですので、このようになっているようです。

そして、この再生可能エネルギーを大きく進展させたのが、2015年に開催された、国際会議COP21(国際気候変動枠組条約第21回締約国会議)により採択された、パリ協定(地球温暖化抑制のための世界的な取り組み)が影響していると言えます。

このパリ協定では、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量削減と、CO2を吸収する森林などの除去量について、目標を定めているので、火力発電のようなCO2を大量に排出する設備は、当然に削減の対象になります。その穴埋めとしての役割を、再生可能エネルギーで補おうというわけです。

その他にも、東日本大震災による原発事故災害や、古くからの電力事業の独占体質改善(事業の全面自由化)目的、資金不足に陥った、東京電力の国有化による強制的改善などの、さまざまな影響も絡み合って、現在のような、再生可能エネルギー(特に太陽光発電)に、大きく偏った状況になっていると考えられます。

いずれにしても、再生可能エネルギーのような、新たな電力源が加わっても、電力システムを構築する要素「3E+S」(Economical efficiency -「経済性」、Energy security -「供給安定性」、Environment -「環境性」 + Safety -「安全性」)は念頭に置くことが重要であります。

しかしながら、近年の太陽光や風力発電のような再生可能エネルギーは「環境性」ばかりが強調されすぎて、「供給安定性」はまったく無視される、という現状です。

その「環境性」についても、太陽光や風力発電は、CO2排出を削減できるというメリットのみで、大規模ともなれば、山林を切り開いて破壊したり、海中資源を破壊したりして、動植物の住処を奪うようなことをしていて、とても「環境にやさしい」と言える立場ではありません。

原子力発電や火力発電の代替エネルギーとして、再生可能エネルギーは必要不可欠ですが、CO2を排出しない「クリーンエネルギー」の裏では、環境破壊も行われているという現実から、目を背けてはならないと思います。

再生可能エネルギーの今後

このように、地球温暖化対策と原子力発電代替エネルギーとして、これからも拡大が期待される再生可能エネルギーですが、高い発電コストが問題となって、進展の阻害となっていました。

そのために、発電された電力を一定額で買い取る、固定価格買取制度(FIT)を導入して、高い発電コスト軽減することで、再エネの普及拡大に努めてきました。なお、この電力の買い取りに使われる料金は、主に需要家の電気料金に上乗せされる再エネ賦課金で賄っています。

しかしながら、一向に下がらない発電コストと、急速に拡大する普及のために、再エネ賦課金の負担率は年々増加しており、今後も増え続けることが予想されています。

このFIT制度も、一応は、電力の買い取り価格を下げる方向性を示しているようですが、それよりも太陽光や風力発電設備の建設スピードが早いために、再エネ賦課金が上がり続けているのではないかと思います。

いずれにせよ、FIT制度に頼り続けて、自立しない発電源のままでは困るので、せめて、他の発電源と同等の発電コストにする必要があるようです。

また、再生可能エネルギーの中でも太陽光や風力の発電設備は発電源の性質上、電力の供給が不安定であり、発電しない時間帯もあるので、今のままでは主力の電源にはなりえません。

発電コストの問題も結局は、発電時間が極端に短かったり、安定しない部分が大きいのではないでしょうか。

この電力供給が不安定であることは、電力システムを構築するうえでも、致命的であるにもかかわらず、こぞって太陽光や風力発電に群がるのは、やはりFITの責任が大きいのだと思います。

また、[大規模]太陽光発電、いわゆるメガソーラー建設でも、近隣住民と対立するケースも多くなってきて、建設が中止されたり、建設を強行して住民の怒りを招いたりと、先行きに不安しかありません。

一方で、メガソーラーや[大規模]風力発電が、近隣住民や周辺環境へ深刻な被害を引き起こす報告もあり、これらの改善目標が示されないならば、推進するべきではないと思います。

「メガソーラー建設は環境破壊を招いている」という声も、多くよせられていますので、これら問題に真摯に取り組み、多くの人に理解されるように努力するべきではないかと思います。

だからといって、「再生可能エネルギーに未来はないのか」ということではなく、適材適所で活かしていくことが必要であると思います。

例えば、再生可能エネルギーでも地熱発電、水力(中小)発電、海洋エネルギー発電などは、発電時間も量も安定していますので、ベースロード電源として、主力の電源になりますし、太陽光や風力の発電は、一般家庭や工場などに、蓄電池と共に設置すれば、ブラックアウトなどの停電時に重宝しますので、推奨したいです。

また、制御不能な太陽光や風力発電についても、蓄電池などを使えば、ピークカット電力を充電して、発電しない時間に放電することもできますので、電力の安定供給も可能になります。

他にも、送電網が隅々につながれば、蓄電地を設置した場所にうまくピークカット電源を振り分けたりすることもできるようです。VPP(仮想発電所)というらしいです。

まとめると、再生可能エネルギーは今後の電力源として、必要不可欠であることはもちろんのことですが、メガソーラー建設を強行したり、むやみに森林伐採や海洋埋め立て工事などで、環境破壊をしたりすることをやめて、無理なく「みんなが幸せになれる」ような方向性に進むべきであると思います。

[参考資料] 電力システムの基本と仕組みがよ〜くわかる本 (木舟辰平 著)

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