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飯能市加治丘陵 メガソーラー開発を考えるシンポジウム

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9月27日(日)飯能市市民会館で開催された「メガソーラー開発を考えるシンポジウム」に参加してきました。その模様をお伝えします。

はじめに

このシンポジウムは(一般財団法人)日本熊森協会の主催、加治丘陵の自然を考える会飯能の協力、日本環境法律家連盟(一般社団法人JELF)の後援により開催されました。当日は定員120名の会場がほぼ満席となり、若い人が意外に多く大盛況であったのではないかと思います。

訪れた方の多くは飯能市民ですが、この盛況ぶりから分かるように、問題の関心度は日増しに大きくなっています。そういったことからもメガソーラー開発阻止に希望が持てます。「この飯能市でいったい何が起こっているのか」と興味を持たれて参加した方もいたようで、現実を知って驚かれたことと思います。

実際に「自然公園」をつくる目的で20億円かけて買い戻した土地を民間業者に年間120万円で貸し出すということ、それが環境破壊に起因するメガソーラー開発であることが問題となってます。

さらに開発予定地は絶滅危惧種の生息も確認されており、反対する市民の声はどんどん高まってますが、そんな声を無視して強引に開発を進めようとしている状況です。

今回のシンポジウムでは弁護士による法的な争い方の説明も交えて、どのようにすればメガソーラー開発を阻止できるのかという話になりました。

いきもののあふれる豊かな森を次世代に

日本熊森協会 室谷悠子 会長の挨拶では、日本に存在する森林の現状、自然の中で生きる動物、植物が生息できる森林は実は少ないという話と、絶滅危機にある森林を法的に守るには限界があること、多くの人が声を挙げなければ何も変わらないということをお聞きしました。

大変貴重なお話で、環境問題に関心を持ち続けていくこと、多くの人たちと声をあげていくことで変えられるという自信と希望を持つことができました。

開発予定地の豊かな自然とメガソーラー計画の問題点

加治丘陵の自然を考える会 飯能 長谷川順子 代表より、現在の状況と飯能市への抗議活動などの話をお聞きしました。

内容はとてもきびしい現状であり、県に不服を申し立てても飯能市の決断を覆すことはできないということ、また法的におかしな点や、審議が不十分であっても住民への説明会が開催されなくても、事業計画は市長の判断次第ですぐにでも許認可されるということでした。

開発阻止には、やはり多くの市民のの声が必要であること、現在7000名の市民による反対の署名が集まっていますが、さらに3倍の署名が集まれば変わるかも知れないという話を伺いました。

その他に貴重種であるコクラン、ヤマルリなど保護対象であるにもかかわらず条例無視で開発を進めようとしたり、カモシカが生息している場所を2万8000枚のソーラーパネルで埋め尽くそうとしたり、サッカー場とメガソーラー調整池は同じなのに入り口道路を分けて申請したり、1ha以上の場合は都市計画法の開発許可が必要となるため、負担増を避ける目的で0.9768haで申請したり(法面と管理道路を外した面積)と、とにかく姑息でズルイやり方で通そうとしています。

多くの飯能市民のみなさんがこの事実を知ったならば必ず反対してくれることと思います。

あと残念なことに、このメガソーラー計画に反対しているのが共産党議員4名だけであるということです。主に自民党議員が賛成しています。

開発から豊かな自然をどう守る?

今回のシンポジウムでは講演として弁護士の市川守弘さんより自然環境保護の立場で法的に争う場合どのようにすればよいかというお話をお聞きしました。

市川さん自身は北海道で活動されており、主に自然保護裁判やアイヌ権利裁判、森林破壊問題に取り組んでおられます。多くの自然保護裁判に携わってきた経験からどのようにすればよいかというアドバイスをいただきました。

まずは、他の再生可能エネルギーやメガソーラーで、これまで実際に起こった被害など問題点の説明がありました。

再生可能エネルギーによる被害で実際に問題になっているのは、風車による低周波騒音問題、ソーラーによる電磁波問題、気温上昇などがあり、山林を切り崩して整地するためにおこる土砂災害の危険性は特に最近問題になっていて、実際に愛媛で訴訟にまでなっています。

また環境破壊を犠牲にして発電された電力は誰のために誰が利用しているのか、という問題は日本であまり議論されることはありませんが、外国では「自分たちが使う電力は自分たちでつくる」という考えが根付いているため、日本のような発電と消費が別々というのはめずらしいらしいです。ですので日本でも積極的に議論されるべきだと思います。

そして上記の自然環境問題、生活環境問題で実際に法手続きをして争う場合には、A 開発許可について、B 違法性の組み立て、C 被害の恐れがある場合について 考える必要があるということです。

A 開発許可については、当事者が適格であるかを争点にしますが、通常は利害関係がなければ争えないらしいです。ちなみにアメリカでは散歩道だということで行けるそうです。

B 違法性の組み立て、ですがこれは生物多様性条約(1993年、日本は条約加盟国)違反であることを争点に、行政に対して生物の生息地である森林の保護義務や、自然環境調査の重要性を訴えて、開発許可基準に盛り込むように求めることですが、実際に日本は国際条約に加盟していても義務を責務に置き換えてしまっているので法的に争うには難しいらしいです。

C 被害の恐れがある場合に建設差し止めを求めることですが、土砂災害については可能性がありますが、低周波騒音や電磁波障害は環境省が否定的(認めない)ですので、裁判にはならないらしいです。しかし専門家の意見などがあれば別だということなので試して見る価値はあります。

しかし、実際に法的な争いとなった場合にもなかなか止めることは難しいようで、結局は住民の声を、より大きな世論を作ることが開発差し止めを成功させる手段だということです。

多くの住民に被害発生の恐れ、自然環境の破壊を許すのか、と訴えていくこと、また本件の場合には自然環境保全の目的で購入した、いわば市民の公共財産を無許可で貸し出そうとしている。こういったことも合わせて訴えていき、住民訴訟までつなげていければ、というお話でした。

最後には、この阿須山中が市民や都市部住民の憩いの場であり、自然教育の場、ニホンカモシカ、熊が生息する奥多摩から山梨へ通じる武蔵野の貴重な自然であることなど、絶対に壊してはいけない、未来に残しておくべき資産であることを再認識しました。

質疑応答

絶滅危惧種がいて、なぜ開発が許可されるのか?について、日本では絶滅危惧種の保護はするが、生息地については保護対象でないため規制されないということらしいです。

しかし、実際には生息地から移植した植物のほとんどが絶滅してしまったということなので、生息地も保護対象とするべきだという意見が多いのも事実です。外国では当たり前のように生息地も保護対象です。

今後、開発阻止のためにするべきことは?について、現地調査を徹底的にすること、学術的にも貴重な資源であることなど認められれば、あるいは多くの住民に関心を持ってもらうことが必要なようです。住民の半数が反対すれば市長のリコールや住民訴訟が可能になるのでしょうか。

その他にも弁護士費用について開発側の弁護士はいくらでもお金が入るが、環境保護側の弁護士はお金が入ってこないので、住民訴訟などする場合はクラウドファウンディングを活用したほうが良いという切実な話を聞くことができました。

最後に日本の環境保護に関する法律は世界的に遅れているらしく、市民の権利より開発側が有利になるような状況なので、これを改善しようと頑張っておられる弁護士のことを知り希望がもてました。

JELF日本環境法律家連盟を応援します。

まとめ

日本ではメガソーラー開発を止めることができないような風潮がありますが、決してそんなことはなく、住民の無関心が事態を悪化させているということがわかりました。

外国では住民へ充分な理解が得られなければ開発はあっさり中止になります。どんなに頑張っても住民の意思が尊重されるということだそうです。

私はこれを聞いて、日本の法律も上辺だけだの環境保護だが、それを許す国民にも問題があることを痛感しました。

また、今回のシンポジウムはメガソーラー建設を断固反対する立場の考えと少し意見が食い違うところもありましたが、「飯能市におけるメガソーラー建設を白紙撤回させる」というところは一致しているので協力していこうと思いました。

最後に日本では法律の壁がやはり大きいようですが、幸いにも環境弁護士のみなさんがこういった流れを変えようと頑張っておられるということで、できる限り協力していきたいと思います。

いつか日本から環境破壊ゴミが消える日を願い、叶うように頑張っていこうと決意しました。

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